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第38回総合診療セミナー 腹部:造影エコー

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造影エコー

小川 眞広(日本大学病院消化器内科/超音波検査室)

液晶と有機ELの比較表をお示し致します。有機ELは、従来の液晶と比較し、高コントラスト分解能で黒を黒く表示できます。有機ELでは、各素子が自ら発光。電気信号を与えなければ光を一切放つことがない、まさに「漆黒」が再現可能になります。白黒のコントラスト比は液晶が3千:1程度に対し、有機ELは10万:1ともいわれています。部屋が明るくても問題なく検査ができます。
また、輝度の変化への応答スピードは液晶を1とすると、その1/1000と非常に速いため、動きに強いといわれています。
視野角依存も少ないので、穿刺やオペ中の操作補助で、画面を斜めからしか見えない時でも正面から見たときと同じ輝度、コントラストでご覧いただけます。
Xdclearと有機ELディスプレイの強力タッグによりどのような画像を描出することができるのか、ぜひご期待ください。

コントラストイメージングにおけるRaw Data マネジメントとなります。
As a summary, various images & analysis can be applied from one raw data.
You can change the display format, make accumulation image or parametric image and use TIC analysis with motion tracking.
Not only the image processing and analysis but also Compare Assistant is the benefit of the raw data management.

B-FlowにおけるRaw Dataを生かした様々なイメージング技術が開発されています。
またそれを発展させたCine Captureエンハンスも近年装置に搭載されています。
これは、一度Captureした画像を背景画像として保存し、その画像上で血管走行もしくは、造影剤が入る様子をダイナミックな流れとして表示する機能となります。これらは、信号を重畳表示することで、特に腫瘍周辺の血管構築を3次元的に観察したり、一枚の画像として記録するために用いられます。

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ミヤモトフミコ 10189835 ◎コンセプト 1 臨床の場における他画像診断との比較およびこれまでの造影との違い
症例の始めにS5、18mm、多結節癒合型の肝細胞癌を呈示する。造影CT検査をrefference画像とした超音波B-mode像を示すが、多結節癒合型であり境界が不明瞭に描出されていることが分かる。

上段左に従来の撮像法であるFR15での造影超音波を呈示する。腫瘍濃染像は描出されるが、腫瘍血管や周囲血管は不明瞭である。
右に高FRで撮像した造影超音波像を呈示するが内部の濃染だけでなく腫瘍・周囲血管も明瞭に描出され血行動態の把握が可能となった。
下段に示すように動脈優位相での染影や以降の相でのwash outは共に淡くCTでの詳細な評価は困難であることが分かる。
腹部血管造影を行いS5にみられた腫瘍濃染像に対して、前下区域枝からバルーン閉塞を行いTAEを施行した。

TAE翌日に施行したvirtu traxを用いたRFAでは、リピオドールにより腫瘍範囲を特定した観察が困難であったため造影超音波下に、VIRTU TRAXを併用してラジオ波熱凝固療法を行った。高FRであるため穿刺時の操作性は低下することなく可能であった。

また、肝細胞癌の治療効果判定にも高FRでの観察を用いた。
RFA2日目の造影超音波では周囲に炎症性変化による血流の増加がみられる。装置に内蔵されているCompared asistantのボタン操作により、拡大率・MI値・フォカスなど瞬時に治療前の撮像条件が統一されるため同一の条件で治療効果を判定することが可能となった。
1か月後には炎症性変化の消失がみられ、⇒comparedでの比較から腫瘍内部への血流がみられないことからTE4と判定した。

いいだみつる9895715 45歳 男性
肝S5に境界不明瞭な約10mm大の低エコー腫瘤を認める。
MRI検査T1,T2強調,DWIでは等信号で、プリモビスト造影肝動脈優位相で約10mm大の濃染像を認める。肝細胞総で欠損を呈さず、FNHと考えられた。

以前の通常のCEUSと比較しても面白い?→ありません。

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